inaojiの日記

社会科教師OBの社会科系徒然語り

沖ノ鳥島EEZ南方 中国、日本権益阻止へ論文 大陸棚延長 否定狙う  産経新聞5月30日 一面

 中国は、最新機器を用い、広範囲、高密度で九州・パラオ海嶺について調査した。この調査結果を基に、『沖ノ鳥島以南の大陸棚は、日本の大陸棚では無い』と主張する科学論文を発表した。
 相変わらずの中国の拡張主義に辟易する。しかし、この地域に眠る地下資源のことを考えると、日本にとってもパラオ周辺国家にとっても、この論文は大きな問題だ。
 中国は、論文をもとに、国連大陸棚限定委員会に揺さぶりをかける。国連機関の判断次第では、日本にとって大きなリスクになる。

 国連は、ウクライナの件以降も相変わらずの中国影響力下にあるのだろうか。そうなるとまずいことになる。

 日本の公教育では、国連を正義の組織のように教える。しかし、実態は、そうではない。ロシアや中国が常任理事国として拒否権を行使する現状にある組織だ。誠意を持って話し合えばなんとかなるという組織では、現状無い。
 日本のEEZ内の無許可な海洋調査の結果を含む資料など、本来は証拠資料となり得ない。
 無法な中国に対抗するため、「最新機器による、広範囲、高密度の調査結果で、中国に圧力をかけられてしまった」などというお花畑の反応ではなく、「それについては、反論できますよ」と、科学的な反証を、即論文として提出できる程度の危機感が欲しい。 
 日本人は、十分な能力を持つ。足りないのは危機感に基づく行動力か。

 産経のこの記事は、日本人の危機感を喚起する良い記事だと評価したい。