29日の大河で、八重さんが亡くなった。
え、ここで死ぬのか。
まず、単純に八重さんが死んでしまったことが寂しい。
史実から離れた存在となっていたので、このまま幸せに暮らしました、となるのかと多少期待していた。
吾妻鏡では、八重さんと頼朝の子が父の伊藤祐親に殺されてしまったことを苦に、八重さんは入水自殺したことになっている。自殺する前、江間次郎に再嫁させられた。ところで江間次郎とは誰だろう。
三谷幸喜さんは、まずは吾妻鏡に忠実に、 芹沢興人さんが演じる江間次郎を登場させて再嫁させた。その江間次郎が殺され、伊藤祐親の件が一段落した後、今度は義時に再々嫁したと描いている。
義時は、江間の地をもらい、江間四郎と名乗っている。
北条義時というより、江間四郎義時の方が、当時の人には馴染みが深かったかもしれない。
三谷さんは、吾妻鏡のいう江間次郎は、江間四郎の間違いという説をとったのだろう。史実の側室「阿波局」は本等は八重さんだったという描き方だったのかもしれない。
まあ、どちらにしても脚本家三谷幸喜の腕の見せ所だったと思う。私は上手な描き方だと感じた。
そして、史実の入水自殺に結び付けた八重さんの死
えー、ここで死んでしまうの!
私だけではなく、もしかすると多くの人がそう思った…。
この時代、本当に人の生き死には、日常。
誰が、誰を殺すかわからない。
時には自分を自分で殺すこともあり得る。
事実はわからないが、事故としての描き方でよかったかもしれない。
しかし、この後の義時を三谷さんはどう描くのだろうか。ますます、闇堕ちしていくように描くのかもしれない。
この後も梶原景時、畠山重忠などの悲惨な死に義時は関わる。
もしかすると、頼朝の死(落馬説が定説)も、頼家、実朝の死も義時を首謀者として描く可能性もある。
そして、史実的にもその可能性があるから怖い。
史実の解明は研究者に任せるとして、
三谷さんが、最悪の悲惨さを、トレンドドラマ風に、また軽妙さを失わせずにどう描くのか気になるところだ。
ますます鎌倉殿の13人から目が離せなくなった。