島根県丸山達也知事が、6月2日、島根原発の再稼働を表明した。
島根原発は、全国で唯一県庁所在地に立地する。原子力規制委員会の安全審査に合格してから約9か月。ほぼ混乱なく「地元の同意」を取り付けることができた。
泊原発のように、全国では、審査が通らなかったり、地元の反発を受けたりして再稼働できない事例が多い。
しかも、島根原発は、福島原発と同型の原発。沸騰水型軽水炉だ。
この型の原発は、全国で5基。いずれも再稼働はされていない。
地元の同意を得られたのは、東北電力の女川原発がある。同意という点では、島根原発が2例目。
はっきり言ってちょっと驚きだ。泊原発をはじめ、「日本の原発の再稼働には反対」、という意見が主流。そんな状況下で、同意という結果。驚いた。
島根原発の再稼働申請は、2013年12月のことだった。申請から6年以上が経過している。
泊原発の申請は、2013年7月。
どちらも長い年月をかけ、安全性の確保に努めてきた。
では、どうして島根原発の再稼働は進められ、泊原発は、認められないのか。島根原発の申請と、泊原発の違いはどこにあるのか。
地元住民への説明
一言で言えば「地元住民への説明」
これがうまくいくかどうかがポイントになる。
一度や二度の説明ではなく何度も何度も、説明を続けていかないと地元の納得は得られない。
特に島根原発については、県庁所在地に立地しているという特殊な事情もあり『避難計画の実効性』が説明の焦点だったようだ。
同意が得られるように、根気強く説明を続けた行政、そして電力会社の人々に敬意を証する。
勇気
説明を準備し、実行し、粘り強く進めた後、最終的に決断するのは、知事。
丸山知事は、勇気ある決断をした。
そして、何より敬服するのは、 地元住民。
確かに安全性に、完璧はない。しかし、経済面など現在のあらゆる現状を見たとき、電気は必要。
これら全てを考慮して、原発稼働にOKを出した地元住民の勇気に感服する。
泊原発 北電 控訴
折しも本日、北電が泊原発に関する札幌地裁の判決を不服として、札幌高裁に控訴した。
今後の動向を注視したい。