牧野富太郎氏の台湾視察
「らんまん」は、万太郎の台湾視察団参加を扱っていた。
しかも、いくつものエピソードを同時に盛り込んできている。
・万太郎の台湾使節団参加
:陳志明とのかかわり
・寿恵の店の出店
・虎鉄君の上京
これは、「らんまん」は9月下旬までの放送ということだが、いよいよ終わりが近づき、エピソードを矢継ぎ早に盛り込んできたイメージだ。
その中でも、「万太郎の台湾視察と陳志明との逸話」が、ここ数日は中心的に描かれるかな。
陳志明とのかかわり
陳志明のモデルとなった実際の人物は、ボタニカでは、「コウ」という名で登場する。
この「コウ」君、すこぶる絵がうまい。
だから、富太郎の植物画を見て感激する。
富太郎は、植物画に興味を示す「コウ」に、画板から紙を破き、鉛筆を渡して絵の描き方を教える。
富太郎が台湾を去るとき「コウ」は、折りたたんだ紙を差し出した。
富太郎は、それを受け取る。
その紙は、富太郎が「コウ」君に渡した画帖から破りとったモノだった。
そこには、まるで写真のような緻密に書かれた富太郎の姿が描かれていたのだった。
ドウランを斜めにかけた着物姿、尻はしょり、足下はわらじに脚絆(きゃはん)、首には手ぬぐい、右手に画帖、左に採取したばかりの百合を数十本小脇に抱えている。眉は濃く、髪は黒々と盛り上がり、歯をニッカリと見せて笑っている。『ゆかいゆかい、大収穫』と呟く声が聞こえてきそうな絵。
「コウ」君は、すこぶる絵がうまい青年だったのだ。
富太郎は、その「コウ」君に絵を教えようとした自分を思い、
「えらい妙手に指南してしもうた。わしが教えを請わなければならない相手じゃった。」
と、呟く。
ただこれだけの話だ。
「コウ」君は、決して怪しい人物では無かった。
愛玉子
愛玉子(あいぎょくし)の台湾読みが(オーギョーチ)。
台湾で富太郎が発見した植物。
クワ科イチジク属・つる性植物で、いかにも台湾らしい食べ物になる。ぷるぷるの食感がたまらない。