inaojiの日記

社会科教師OBの社会科系徒然語り

岩田慎平氏の北条義時を読む

 岩田慎平氏は、昭和53年生まれ。日本中世史(中世武士論、鎌倉幕府論)が専門。現在は、神奈川県にある郷土資料館の主任学芸員を務めていらっしゃる。この本は、2021年に中央新書から発行。
 今年の大河ドラマ、「鎌倉殿の13人」の言わずもがなの主人公が北条義時。岩田さんの著書に現れる義時像はドラマとは全く別物だ。岩田氏の描く義時を一言で言えば「怖い」
 ただし、義時だけが怖いというのではない。この時代の武士全般に怖い。それが当たり前の時代だった。
 さて、「北条義時って、どんな人」か。
 『源氏三代が滅んだ後、執権政治の礎を築いた人』「北条氏の土台を築いた人」
 ・北条時政の次男
 ・頼朝から「家の子の専一(最も信頼される部下)」と言われた人
 義時は、ドラマ前期で描かれていたような気の良い人物ではない。父の時政をさえ追放する非常になりきれる人。最初の数ページを読んだだけで、本当はどんな人物だったのだろう、岩田氏はどのように義時を描くだろうと、興味が湧く。